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アーカイブ

研究発表 アーカイブ動画

自動車乗車中の子どもの死亡重傷者数は減少が続いていたが、コロナ禍の収束とともに以前の水準に戻りつつある。チャイルドシートは、適正な使用により被害軽減効果が高い乗員保護装置のひとつである。しかし、車両への取り付けにコツがいることや正しい使い方を学ぶ機会が限られていることなどから、誤使用が多いこと、適応年齢や取り付ける向きについて誤った認識が見受けられる。本研究では、交通事故統計データの分析などから、「チャイルドシートの誤った使用や誤った認識から、どのような危険が生じるのか」を確認した。本研究結果から、日本の将来を担う子どもを交通事故の被害から守るための提言とITARDAの取り組みについて紹介する。

研究部 研究第1課 菱川 豊裕
二輪車乗車中の交通事故死者数は年々減少傾向にあるが、二輪乗車中の死者割合(死者数/死傷者数)及び死者・重傷者割合((死者数 +重傷者数)/死傷者数)は上昇傾向にある。また、四輪乗車中と比較すると、死者割合では約3倍、死者・重傷者割合では約5倍となっている。このような重大事故になりやすい傾向は、二輪車が四輪車同様の速度で走行する反面、四輪車のように運転者の身体が車体に囲われていない故の課題と思われる。そこで、人身損傷主部位別の死者数が最も多い頭部に次ぎ、重傷者数を含めると頭部損傷よりも多くなる胸部損傷事故の特徴について分析し、胸部プロテクターの着用者率向上による二輪車事故被害軽減の可能性について提言する。

研究部 主任研究員 八木 敏昭
死者・重傷者数が多い夜間の横断中事故に着目し分析したところ、横断歩道のない場所を横断中の歩行者が、直進してきた車両と衝突する事故の割合が高いことがわかった。当該事故形態における当事者別(自動車と歩行者)の人的要因を昼夜別で比較したところ、自動車では前方不注意が占める割合が、夜は昼に比べて約2倍に増加しており、前方不注意を含む発見の遅れは、昼間の7割強から夜間は9割強という結果であった。歩行者では安全確認なし/安全確認不十分が多く、昼夜ともに全体の7割を占める一方、相手車両の速度感覚の誤りなどは、統計的に有意に多くなる夜間の人的要因であることがわかった。歩行者の人的要因に関して、相手車両への速度感覚誤りなどに着目した検証実験を行った。

研究部 主任研究員 星野 真也
身近な生活道路が安全で安心して利用できる交通環境となるよう、全国各地で生活道路の「ゾーン対策」が進められている。効果的・効率的にゾーン対策を実施していくためには、対策の必要性が高い危険なエリアを定量的な指標で見つけ出し、優先順位付けをすることが重要であるが、未だその手法は十分に確立されていない。本研究では、「町丁目」単位でゾーン対策の必要性が高い事故多発エリアを抽出する手法を立案し、どのような指標を用いるのが適するかを検証した。その結果、町丁目内の市町村道のうち「車道幅員5.5m未満の道路での事故件数」を町丁目面積で除した死傷事故密度を指標として用いる手法が、ゾーン対策の必要性が高いエリアの抽出に適用しやすいことを導いた。

研究部 研究第2課 小島 俊平
近年、四輪車乗車中の死亡重傷者は低減しているが、後席乗員の死亡重傷者数は、乗車位置別では運転席・助手席に比べて少ないものの経年的な減少度合は最も小さい状態が続いている。そこで本研究では、後席乗員についてマクロデータを用いて死亡重傷率が高い事故の条件を調査・分析した。その結果、道路線形『カーブ(右カーブ+左カーブ)』で死亡重傷率が高く、道路線形『直線』とで大きな差異が生じていることが分かった。そして『カーブ』においては、ある疑似ΔV領域で胸部が損傷主部位となる場合の死亡重傷率が、『直線』に対して大幅に高くなることが分かった。またミクロデータを用いて、『カーブ』事故において胸部が重傷化するメカニズムの考察も実施した。

研究部 主任研究員 野本 太樹
現在、全国各地で自動運転に係る公道実証実験事業が実施されている中、少数ながらも事故・接触事案等が発生している。本発表では、同種事故の再発防止や自動運転の研究開発分野における技術向上への寄与を目的とした、ITARDAにおける活動の一環として、当該実証実験等において発生した事故事例に検討を加え、実証実験の実施に当たっての事故防止に資する対応策を提案する。

自動運転グループ 研究員 岡 俊之介
ITARDAは、人・道・くるまの観点から交通事故の総合的な調査分析研究を行い、交通事故防止と被害軽減を図り、安全な交通社会実現に寄与することを目的としており、その達成のための事業として、諸外国の交通事故分析機関等との交流及び情報交換を挙げている。(定款2章5条7号)平成28年以降、欧・米・豪・亜の交通事故分析機関との交流を増やしてきたが、コロナ禍収束によりまた交流が復活した。特に独VUFOとの連携は強く、昨年末には研究協定を締結するに至った。また、ITARDAの事故データの両輪(マクロ・ミクロ)に対応した国際データベースがあり、既に参画中のIRTAD(マクロ)に加えて、新たにIGLAD(ミクロ)への参画に向けて準備中である。

業務部 主任調査員・研究部 主任研究員 木内 透